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「86歳の母が胃の全摘手術をうけました」の記 ●その7 HCUから病棟へ

9日目。ようやくHCUから一人部屋の病棟に移ることができました。
HCUは四六時中さまざまな計測器の電子音が鳴り響いているし、
重症の方の苦しそうな声、看護師さん同士の連絡の声が飛びかっていて、
身動きできない体であの中にいると、頭がおかしくなると母は言うのですが
本当にその通りだと思います。
回復しないとHCUから出られないのだけど、
一方で、HCUにいると回復が遅れる。そんなジレンマを感じます。

ともあれ病棟に移ってホッとしたものの、
母は、またまた少し言葉があやしくなっていました。
テレビの音声を聞くためにイヤホンを入れようとするんですが、
なんと、耳たぶに押し付けて入らない入らないって言ってるんです。
後で聞いたところによると、この頃は距離感がつかめなくなっていたそうです。

おやつのワッフルを半分残したので、
「栄養をとるためにクリームだけでも食べた方がいいよ」
と言ってスプーンでクリームをすくってあげると、
スプーンを受け取るかと思いきや、
鳥の雛よろしくパカッと口を開けて待っているし。
こりゃあかんわとガックリきました。

まだ幻覚も見えていました。
「ビニール袋が上がっていく」と言って壁を指差すので、
ついイラッときて「また幻覚見てる」と言ってしまいました。
母が「幻覚を見るようになったら終わりや」とつぶやくのを聞いて。
不安にさせるようなことは言ってはいけないと思っていたのにと
たちまち自己嫌悪です。

さらに困ったのが、膝の痛みです。
右足だけだったのが両足に広がり、少し動かしても痛むと言うのです。
そんな母を見ていると不安でいっぱいになって、
またもや落ち込みながら帰ったのでした。

10日目。一人部屋から四人部屋に移動。
不思議なことに、朝起きたら足の痛みがなくなっていたそうで、
言葉もはっきりして昨日とは別人のよう。
ただ、足のむくみはひどく、腕にまで水がたまってブヨブヨです。

足の痛みはおさまっても、まだ点滴と栄養チューブ、尿道カテーテルが入っているので、
車いすに乗り移るのも一苦労。
なにより足に力が入らず、自力では立ち上がることもできません。

この日は中学の同窓会幹事会が夜にあって、
最初は疲れているのでパスしようと思ったのですが、
気分を変えたくて参加しました。
さすがアラカン。やっぱりみんな親の病気や介護で苦労しているし、
自身も大きな手術を経験したという人もいて、
そんな話を互いにしているうちに、すごく気持ちが楽になっていました。

11日目。またまた不思議なことに、昨日は全然足に力が入らなかったのに
この日はゆっくりとだけど自力で立てるようになっていました。
たった1日でこれほど大きな変化が起きたことに、母自身も驚いていました。
少しずつでも食事がとれるようになったことが大きいのかもしれません。
この日、尿道カテーテルが抜けました。

手術の傷跡もすっかり治っていましたが、
ドレーンを抜いた傷口の一方がふさがらず、
いつまでも浸出液が出てパジャマが濡れてしまうのが困りものでした。

12日目。午前中の血液検査の結果、先生からOKが出て、
ついにすべてのチューブが抜けて心電図計のみに。
トイレにも歩いていけるようになって、
ようやく回復を実感できるようになりました。



by mell1999 | 2016-12-22 23:01 | 胃がん | Comments(0)