観光最終日は、また北京に戻って、万里の長城へ。
「紀元前に秦の始皇帝が完成させたこの長城は、明代の増築で6300kmにも達した」と、ガイドブックには書いてあるけど、6300kmって、どれほどの長さなんでしょうね。まったく途方もない数字です。
私は往復1時間ほど長城を歩いたのだけど、ところどころ、きつい勾配になっていて、登りはともかく、下りでは膝に力が入らなくて、手すりにつかまりながらようようの思いで下りてきました。
歩くだけでも大変なこの長城。きっと、建造中にはたくさんの人たちが、命を落としたり、ボロボロになるまで働いたんでしょうね。どこの国でも権力者というのは、とんでもないことを考え付くもんです。
長城のあとは「明の十三陵」へ。これは、明代の13人の皇帝の墓が築かれている一帯のことで、私が見たのは、そのうちの万暦帝のお墓(右は、皇帝と一緒に葬られた皇后の冠)。
お墓といっても、地下に築かれた宮殿のようなもので(内部の様子は
ここをクリック!)、またまた私は、「こんなに大きな大理石を運ばされて。きっとたくさんの人が亡くなったんやろなー」なんてことばかり考えながら、見学していたんですけどね。
当時の皇帝は、自分が即位するとすぐにお墓づくりに取り組んだそうで、できあがると、墓の場所を秘密にするために、建造にかかわった人たちを殺してしまったのだとか。なんとも理不尽! この万暦帝の墓の入り口からも、たくさんの人骨が出土したそうです。
私たちが行ったのは夕方だったので、見学を終えたとたん、お墓の大きな扉がしずしずと閉じられ、自分が中に閉じ込められる場面を想像してぞっとしてしまいました。
こうしたお墓は、場所はわかっていても入り口を見つけ出すのが困難で、未発掘の墓も多いそうです。なので、もちろん盗掘もされていません。兵馬俑もまだ発掘途中だし、まだ知られていない歴史遺産が、地下にたくさん眠っているんでしょうね。ほんとに中国ってすごいところです。
この日夕食は、今回のツアーでは一番の豪華版。北京の有名店「全聚徳(ぜんしゅうとく)」の北京ダックディナーでした。
ここの北京ダックは皮だけじゃなく、身もついてきて、しかも量がたっぷり。以前香港で食べたときは、ほんのちょっぴりしか出てこなくて食べた気がしなかったんだけど、今回はさすがに大満足……と、考えてみたら、北京ダックを食べたのは、あの香港以来のような。確か行ったのは10年以上も前…。次に食べられるのは、何年先になるのかなあ。
これで、中国の旅のレポートはおしまい。読んでくださってありがとうございます。