メルと歩けば

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「86歳の母が胃の全摘手術をうけました」の記 ●その3 手術を決断

入院の翌日に母を見舞ったときには、顔色も悪く
(吐血以前から出血していたようで、かなりの貧血だったそう)
トイレも自分でいけなかったのだけど、幸い入院から数日すると元気を回復し、
ゆっくりとなら歩けるようになりました。

そして、その後のCT検査などで、胃がんは今のところ転移しておらず、
手術が可能ということが判明。
先生から手術をするかどうか決めてくださいと言われたものの、
兄も私も手術するなんてあり得ないと最初は考えていました。

だってよく言うじゃないですか。
高齢者が手術したら気力体力が弱って歩けなくなる。
寝たきりになり認知症になる、って。
兄も美容師という仕事柄そういう話をよく聞いていて、
中には手術前の検査で弱ってしまった人もいたとか。
今はまだ家事もできるしご飯も食べられる母が、
胃がんの手術をしたがために寝たきりになってしまったとしたら、
たとえ胃がんが治ったとしても本末転倒だと、そう思っていたのです。

いずれにしても詳しい説明を聞かないと決められないので、
母も同席のうえで消化器内科の先生に説明してもらいました。
この時、私は手術しない場合の余命を聞きたかったので、
母は同席しない方がいいと思ったんですが、
兄が母にも覚悟してもらわないかん、と言い、
母も同席したいと言うので、3人で話を聞くことになったのです。

先生のお話しでは、手術した場合、胃を全摘すれば完治するということでした。
そして術後数日で起き上がれると。
この言葉を聞いて、ちょっと手術に気持ちが傾きました。
数日で起き上がれるのなら、それほど衰えないかもしれないと
希望が湧いたのです。
入院期間は高齢なので一ヶ月くらいかかるだろうとのことでしたが、
(その後、術前に外科医からも説明があって、入院予定は二週間と、ぐっと縮まりました)

一方手術しないで放置した場合、5年生存率が60%で、
母の場合、余命は1年くらいだろうと。
なかなか微妙な数字です。
あと1年は元気に生きられるのなら、それがひょっとすると2年になることもあるのかも、
と思ったのですが、続く先生の言葉に愕然としました。

「おそらく数週間もすれば食道が狭窄して食べられなくなる」と言うのです。
そうなると、病院のベッドの上で点滴で栄養をとりながら、
緩慢に衰えていくしかないということです。
日ごろから延命処置はお断りと明言している母にとっては、
一番避けたい結末です。
かといって、そうなった時に、点滴などの延命を拒否する決断は、
私達にはできないと思うのです。

とにかく一度3人で話し合ってからお返事しようと、兄に提案しました。
というのも、この数年、父の介護にすっかり嫌気がさした母は
「いったいいつまで生きなきゃいけないのだろう」とたびたび口にしていたし、
その前日も、「おじいちゃんはこんなふうに亡くなった」
「○○のおばさんの最期はこうだった」としきりに亡くなった人の話をしては
「私は死ぬのは怖くない」と繰り返していたので
ひょっとしたら手術も延命処置も拒否するのかもと思ったのです。

ところが母は、「私の腹は決まってる。手術してもらう」ときっぱり。
その一言で、母の手術が決まったのでした。


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by mell1999 | 2016-12-17 20:05 | 胃がん | Comments(0)