胃の調子が悪い時に、口角が切れてあかぎれのようになることってありますよね。 なんと、それが目尻にもできてしまいました。
花粉症で目をこすったり眼薬を頻繁にさしたりしていたことが原因のようですが、今まで●十年生きてきて、こんなことは初めて。それだけ、お肌に潤いがなくなったってことでしょうかね。
あかぎれといっても、幅3ミリほどのごく小さなもの。少ししみるくらいで痛みはなく、一度目は2日ほどでふさがりました。ところが、1週間ほどして再びパックリ。ひょっとして癖になってしまったのかも。
再発の原因は、本を読んでいて、ウルウルしてしまったこと。近頃涙もろく、すぐ涙腺がゆるんでしまうんですよね。で、その本というのが、先日いった原画展で手に入れたこちら。
人間の心と言葉を与えられた腹話術人形のげんちゃんとダイスケが、持ち主に幸せを運び、その代償として自分たちはただの腹話術人形にもどってしまうというお話です。
物語は、ある老夫婦のもとに、人形のげんちゃんがやってくるところから始まります。おばあさんは、いっしょに散歩をしていた孫を交通事故で失い、以来、ショックで歩けなくなっています。そんなおばあさんを元気づけようと、おじいさんが腹話術を習い、このげんちゃんを注文したのです。
「おばあさんは、早速デパートにいき、セーターやズボンをげんちゃんに買ってきました。すると、すっかり5歳の男の子のように変身したのでした。」
人形に、亡くした孫を見るおばあさんの気持ちを想像してしまい、このくだりだけで早速ウルウル。あとは言わずもがなです。
この本の作者の牧瀬かおるさんは、教師を退職したあと腹話術を習い始め、各地の施設などで演じていらっしゃるそうで、その体験からこの本が生まれたそうです。犬や花をテーマにした本など、すでに何作か原稿はできているのだとか。
「どれも自分の身の回りのことをテーマにしてるから、ぱーっと書けてしまうのよ」といとも簡単におっしゃいますが、身の回りのことをテーマにしても、書けない人には書けませんって。
創作系はまったくだめな私には、ほんとにうらやましいお話でした。
そして、この本のイラストは、同じ出版ネッツの仲間のKISAさんが描いておられます。KISAさんも多才な人で、この本をもとに語りライブもされています。
このところ、なんとなく気分がさえなくて鬱々としていましたが、原画展で牧瀬さんやKISAさんのお話をうかがい、ちょっと元気が出た一日でした。